歯を失った場合の治療は従来は義歯、差し歯などでしたが第三の治療法としてインプラントが注目を集めています。
インプラントとは人工の材料や部品を体に入れることの総称です。
インプラントは顎骨の中にインプラント本体と呼ばれる人工歯根を埋め込み、その上にアバットメントと呼ばれる支台部を取り付け、歯の部分に相当するかぶせ物を取り付けるというものです。

治療に際しては先ず、口腔内の検査を行います。
CT診断等で口の中の状態を確認します。
高血圧や糖尿病などの持病のある場合、程度によっては治療ができない場合もあるので事前に相談しておきましょう。
全身状態を検査するために血液検査をする場合もあります。
喫煙者は禁煙することが条件となります。

虫歯や歯周病のある場合はその治療を優先します。
特に歯周病がある場合は治療期間が長引きます。
歯周病菌が口腔内にあるとインプラント治療が失敗する場合もあるのです。
インプラント治療において最も危険なことの一つは治療後インプラント周囲炎をひきおこすことであり、それは歯周病菌に起因するのです。

埋め込み手術の実際としては歯科用の麻酔を注射して歯茎を切開し、歯槽骨にドリルで穴をあけていきます。
小さめの穴をあけ、だんだん大きくしていきます。
その穴の中にチタン製のインプラントと呼ばれる人工歯根を埋め込みます。
その上に支えとなるアバットメントをとりつけ、さらにその上にかぶせ物を取り付けるという形になります。
かつては歯茎を切開して埋め込みを行っていましたが、近年では手術用のテンプレートを使用して計算された場所に正確に穴をあけて埋め込みを行うという方法もでてきています。

局所麻酔を使用しているので痛みはほとんどありませんが、痛みはなくてもドリルで骨に穴をあけるという外科的処置なので、ドリルの音や振動は直接感じてしまいます。
恐怖心の強い人に対しては静脈内沈静法や笑気ガスの吸入麻酔によってウトウトしている状態で治療を受けることもできます。

治療期間は状態によって異なりますが、埋め込んだインプラントと歯槽骨が融合するまで待たなくてはなりません。
おおよその目安として上顎は6か月、下顎で3か月と言われています。

手術の失敗としては神経を損傷したり、上顎洞粘膜の損傷などがありましたが、検査機器の性能が格段に上がっており、そのようなことも減少してきています。
しかし、インプラント治療は高度な技術と知識が必要な治療であり、医師の技術にも大きく左右されるものであり歯医者選びは重要です。
手術後は毎日の生活の中でのプラークコントロールが不可欠であり、正しい方法を指導してもらい実践することと、定期的に受診してプロのメンテナンスを継続することが必須となってきます。

インプラント治療の費用

インプラント治療は保険適用外の自由診療となります。
そのために治療費は各歯科医院ごとに設定されているので、治療の費用は医院ごとに異なっています。
その治療費をみてみると1本7万円と謳っている医院から50万円と明示している医院まで実にさまざまです。

今、国内の歯科医院で使用されているインプラントメーカーはヨーロッパなど海外製品を中心に国内の有名メーカーや症例数の多いものをみてみると大体原価の5~6倍がインプラントの治療費と言われています。
ヨーロッパのものは原価が大体2~5万円のものが多く、そこから治療費が算定されていくのです。

またインプラントの上に装着する上部構造、被せ物ですが、セラミックやメタルボンドが一般的であり、材料費は2万円程度です。
本体と合わせると原価は4~7万円程度になるでしょう。

治療費の内訳は手術代、CT診断などの検査代、衛生管理に必要な費用、人件費などが含まれます。
それぞれの医院によって導入している検査機器や歯医者の技術などによっても異なって来るでしょう。
多くの医院ではホームページ上で費用を掲載しているので参考にすることも可能です。

インプラント治療の費用は1本35万円から45万円というのが相場のようです。
首都圏や都市部の方が高い傾向があります。
低価格に設定してある場合、その内訳をみる必要があります。
本体のみの価格や含まれているものの中に検査費用、埋め込み手術費用、人工歯、メンテナンスなど、どのようなものが含まれているかによっても異なってきます。
また低価格の物の中には粗悪品もあるので注意が必要です。

日本では約20種類のインプラントが販売されています。
本体とアバットメントが一体化したワンピースタイプ、別々のツーピースタイプのものもあります。
また本体は人体と親和性が高く、害のないチタンが使われていますが、アパットメントはジルコニアが使用されているものもあります。
そのように素材が異なると価格も変動することになるでしょう。
吸入麻酔や静脈内沈静法を使用したり、骨移植が必要になればまた状況は異なってきます。
人工歯の材質も大きく費用に影響します。

インプラント治療は保険適用ができないので費用も非常に高額となります。
この費用は医療費控除の対象となるので領収書などはきちんと保管しておきましょう。
タクシーや公共交通機関の利用料金も含まれるので、領収書のないものはメモをとりましょう。
デンタルローンも扱っている医院も多いので確認しておくとよいでしょう。

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